鮮明な記憶は鮮やかな情動をともないます

伝統を尊ぶ

どうしても帯の話     4月3日。

 

苺とパインを持って母の所へ。

本当に美味しそうに食べてくれる。

 

その間に着替えを用意

今朝お風呂のはずだけど、

先日用意していった衣類に、

着替えていない。

 

替えなかったの?

「お風呂の日に替えるから。」

どうもまた引き出しに、

丁寧に戻したようだ。

 

少し暑くなったから替えようか。

「これが一番着易いから。」

 

視線を見ていたら、

嘘を言うときのパターン。

最近メンタリストの方の、

セミナーを受けたり本を読んだり、

人の心理を少し学んでいるから、

わかってしまうのです。

 

何とか着替えてもらえた。

 

写真を見せて、

これ覚えている?

「もちろん、私が買ってあげたでしょ」

このブルーの訪問着、

祖父が気まぐれで買ってくれたもの。

母がそう言っていた。

「ケチなおじいさんが、何でだろう」と。

 

祖父は家計のことは父にまかせっきりで、

自分は好き勝手な生活をしていた。

一人で美味しいものを食べに行ったり、

ハイヤー(そう呼んでいた)を頼んで、

ちょっと出かけたり、

自由奔放な毎日、

両親は大変だった。

 

その祖父が突然、

「ヨーコに着物買ってやる」

母と3人でデパートに行った。

母は変なものなら買っていらない、

そう思ってついてきた。

 

この着物、

母のお眼鏡にも叶い、

「これならいいです」

祖父は予想より高かったらしく、

それでもたまたまお金があったらしくて、

買ってくれた。

 

後で「本当に買ってくれるなんて」

母も驚いていた。

 

「これにはあのつづれの帯が合うわよ。」

先日見せた銀色の帯、

「あれ、本当に高かったんだから」

そのあとはずっと帯の話が続いた。

よほどしっかり記憶に残っているようだ。

 

それとも

驚くほど高い買い物だったのか、

真相はわからない。

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