視覚からの情報は記憶に残りやすいというけど、本当にそうだね。 7月8日。
スイカを持って母のところに。
豪雨のニュースを見ていた母、
突然、ポツリと
「伊勢湾台風の時は酷かったわね」
母の妹家族が新築して間もない家で
水害にあった。
「橋一つ隔てて、天国と地獄の違い」
ニュースを見てスイカを食べながら
「水の被害は後々まで大変」
「本当にお気の毒」
今日はよく話す。
平屋だった叔母の家
天井裏から屋根に上がって
救助を待っていたと聞いた。
父は筏を作って様子を見に行ったが
3日くらいは障害物が多くてたどり着けなかった。
3歳くらいだった従姉妹は
それからしばらく我が家で過ごした。
私も記憶しているが
母はもっと詳細に覚えているようだ。
「あの土地は借家が立っていた跡地」
祖父が事業をしていた頃のもの
祖母は祖父が亡くなってから
一軒ずつ売り食い生活だと言っていた。
水害の後は
家の中のものは全て処分するしかなかった。
水が引いてからは
気の遠くなる撤去作業
別のところで部屋を借り
家の補修が終わるまでは
何ヶ月も仮住まい。
遠くを見ながら
ずいぶんいろいろなことを話してくれた。
初めて聞いた話もあった。
「早く水が引くといいわね」
何十年も前のことでも
記憶にはしっかり残っている事がある。
今日は饒舌な母だった事が
私には嬉しい。
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